若手研修ニュースレター



若手・中堅社員における育成空白期間

平素より大変お世話になっております。

 最近、顧客企業から、「若手社員がリーダー職になりたがらず、転職する社員も少しずつ増えてきた。若手・中堅社員の成長や定着に繋がる研修がしたい」とのご要望を受けることが増えてきました。

 実際、新入社員やリーダー・管理職の育成に力を入れている企業は多いですが、入社4年目から30才中盤の若手・中堅社員に対しては、教育研修の優先度が下がり、いわゆる「育成の空白地帯」となっているケースが多く見受けられます。

 そのような中、社会人4年目が直面している壁には【図表1】、 ①知識・スキルに不安(48.0%)、②精神的に追い詰められた(48.0%)、③仕事の量が多い(46.3%)、④上司との人間関係に苦労(41.3%)、⑤自身の成長に不安(41.0%)、⑥この仕事で働き続けることに不安(40.0%)が上位にあがりました。

 ちなみに、社会人5~11年目までも「知識・スキルに不安」が直面している壁のトップでした。

 これらのことは、成長する過程において、誰しもが感じることであり、更なる成長へのプラスの側面があると考えます。

 興味深い点は、「仕事が飽きた、つまらない」(40.0%)という回答から、4年目にして、仕事の意義を感じていなかったり、マンネリ化したりしている傾向が窺えることでした。

 職場環境の改善や成長支援を疎かにしたために、自信のなさから「リーダー職にはなりたくない」と考えたり、転職意向を高めたりする若手・中堅社員が増えてくるようだと企業としても問題であると考えます。

自己の課題認識と心理的安全性

 では、具体的にどのような知識・スキルが足りていないと感じているかについて【図表2】、①プレゼンテーション能力(27.0%)、②発想力(19.7%)、③計画力(19.0%)、④解決策立案(17.5%)、⑤実行力(16.8%)が上位にあがりました。

 興味深い点は、パソコンスキル・営業力・その他専門力などのテクニカルスキル(実務遂行能力)よりも、プレゼンテーション能力などのヒューマンスキル(対人関係能力)や、発想力・計画力・課題策立案などコンセプチュアルスキル(概念化能力)の不足を感じていることでした。

 実際、後述する若手・中堅研修においても、コミュニケーションに関する自己課題を述べられる方が多くいました。

 さて、【図表3】は、ある大企業で従業員1万人以上を調査した結果です。

 新入社員の心理的安全性は入社から急速に損なわれ、3~5年後に底を打ち、入社1年目のレベルに戻るには10年近くの歳月がかかるという可能性を示唆したものです。

 企業風土や周囲との関係性、個人の資質に左右されることが大きいとは思いますが、心理的安全性が低下する要因には、①リアリティ・ショック(理想と現実とのギャップへの戸惑い)はもちろんのこと、②否定性バイアス(ポジティブな情報・経験よりもネガティブな情報・経験の方が、行動に強い影響を与える傾向)が働いているのではないかと想像できます。

 企業が若手・中堅社員の心理的安全性の確保に留意しなければ、例えば、自分からコミュニケーションをとろうとはせず、なるべく目立たないように行動するようになり、結果、防げたはずの失敗や改善点を見過ごし、ひいては転職意向を高めるというリスクが生じてしまうことになります。

 同時に、「自分の知識・スキルに不安がある」ことから、積極的に周囲との関係構築を図る言動を控え、自らの心理的安全性を高められない悪循環に至っているのではないかとも推察できました。

 従って企業は、若手・中堅社員の皆様に自己効力感を高め、主体的に行動、成長ができるよう「マインドセット」や「スキルセット」を行う必要があるのではないでしょうか。

 私共では、このような観点から「若手・中堅社員研修」を実施しており、次頁にて概要を紹介いたします。

若手・中堅社員研修の概要

 本研修は、職場ですぐに活用できるよう分かりやすく研修内容を解説すると共に、ディスカッションやトレーニングを行うことで、若手・中堅社員の皆様の「ビジネススキル」や「モチベーション」の向上に繋げることを目指しています。

研修全体の流れ(ロードマップ図)

 若手・中堅社員研修の全体フロー

目指す人物像、自らのビジョン設定

社会経済の変化が大きい中で、高い志を持って自己成長を継続していくために、次の3つの視点から自己を見つめ直します。

  • やれること
  • やりたいこと
  • 喜ばれること

これらを洗い出し、3年後の「ありたい姿」を描きます。

半年後の目標へのブレークダウン

ケーススタディを通じて会社の利益構造への理解を深め、ロジカルシンキングを基に、「目指す人物像」に近づく為の半年後の目標設定と行動計画を立案します。

周囲への巻き込み力強化

上司や後輩または、お客様といかに関係構築を図っていくのか、また、説得力を高めていかに伝えていくかについて、フレームワークを用いたトレーニングを行い、コミュニケーション能力を高めていきます。

実践活動の継続

研修を通じて作成した「実践シート」を基に活動を行い、1カ月に1度の振り返り、上司からもアドバイスをもらいながら継続実施し、研修成果やご自身・チームの成長に繋げます。り、上司からもアドバイスをもらいながら継続実施し、研修成果やご自身・チームの成長に繋げます。


研修での「気づき」と「行動計画」

下記は、「若手・中堅社員ブラッシュアップ研修」に参加されたシステムエンジニア(28歳)の受講報告書と行動計画です。この「気づき」と活動の継続、目標の達成を願うばかりです。私共は研修後1カ月を目処に受講生の職場を訪問し、講師との1on1を行いサポートして参ります。

始めに、自分の考えを自分の言葉で発言する、また他者の意見を聞いて共感する機会が普段の業務では中々ありませんでしたので、有意義な場であったと感じています。

発言することに苦手意識がありましたが、間違った意見であったとしても、自信を持って話すことが出来るようになっていたことに自身の若干の成長を感じました。

ただし、考え方、話し方の技術が定まっていなく、今は思ったことを必死に伝えようとしているだけのため、研修の中で教授いただいた手法を取り入れられるように資料を都度見返し、一つずつ身に着けコミュニケーションの意識を変えていきます。

自分の中では「非主張的」から「攻撃的」に変化している傾向があるので、「アサーティブ」に近づくために傾聴スキルを取り入れ、相手に関心を持ち、課題である年上部下とのコミュニケーションに取り組みます。

一方的な作業依頼だけでなく、今の作業に対してどう考えているか、やりたい作業があるかヒアリングし、それを与えることでモチベーション向上、また自身のリーダとしての能力向上に努めます。

そのために、直近の作業課題、PJの将来的な目標や期待する立ち位置を共有し、チームの強固を図ります。

※ご本人の許可を得て、掲載しております。


若手・中堅社員の育成に力を入れることが組織の活性化や未来の組織づくり、他社との差別化にも繋がります。ぜひその機会を弊社にお任せいただければと存じます。ご期待に応えられるよう全力で取り組んで参ります。                                    


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